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夜が来た

2001年
作詞 吉田拓郎 作曲 吉田拓郎
アルバム「こんにちわ」

夜のヨーデルの呪い

 アルバム「こんにちわ」は「明るい日常」をテーマに、朝から夜までを描くという構成だった。なので「朝」には「朝陽がサン」。そしてしめくくりの「夜」はこの作品「夜が来た」が配されている。そのまんまんじゃねぇか! って、怒るのはまだ早い。
 明るくカッコイイ、印象的なイントロのギターは、高見澤俊彦によるものだ。もはや坂崎幸之助と並ぶ御大の盟友となってしまったタカミー。この時、高見澤は指を骨折しており、その不自由な指で苦心してギターを弾いていたという。骨折の原因は、テレビのバラエティで「闘牛」をやったためだそうだ。「闘牛」って・・・。間違いなくアルフィーには笑いの神様が降りている。
 本編に入ると、新しくもどこか懐かしい御大を思わせるメロディーが心地良い。「明日は今日より軽やかに 心が悲鳴をあげないように」「大切なことはひとつだけ 変わらぬ自分でいられるように」という御大からのエールのようなフレーズが、ファンにはとても嬉しい。
 しかし、しかしだ。この素敵なギターとメロディという実に心地よい気分を最後のフレーズがキレイに吹き飛ばしてくれる。「ヨールレイホー 夜がやって来た」え? 今なんて言った?と問いかける自分に 「ヨールレイホー」「ヨールレヒ、ヨールレヒ、ヨールレヒ、レヒホー」と何度も丁寧に念押しして教えてくれた。何の関係もなく突然出てくるヨーデル。なんじゃこりゃああああああああああ・・・と思わず頭を抱えて叫ぶしかなかった。
 もちろん「夜」と「ヨール」をひっかけているのだろうが、そんなことわかりたくもない。インペリアル移籍第一弾アルバム。LOVE2で世間の耳目も集まっているというこの大事な時に、よりによってこんな歌を作りおって!!とくらくら眩暈がしたものだ。不思議にも、他のファンや世間ではなんのお咎めもなく、自然にスルーしていたのが不思議でならない。この理不尽な悶絶は私だけか。
 「ヨールレイホー、ヨールレヒ、ヨールレヒ、ヨールレヒ、ヨールレイホー」を聴くたびにコレに続けて「教えておじいさん、教えておじいーさん、教えてぇぇぇ」のフレーズが自然に頭に流れてくる。ホントに御大、この歌なんなのか教えて。

2016.4/23