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放課後

1979年
作詞 吉田拓郎 作曲 吉田拓郎  歌 DUO
シングル「放課後」

若さと嫉妬とあこがれ共同体

 コンサートツアー79と篠島のイベントも押し迫ってきた1979年5月。フォーライフレコードから二人の若者が彗星のようにデビューして彗星のように消えて行った(爆)その名も「DUO」~FOR MUTANT AGE デビュー曲「放課後」作詞・作曲吉田拓郎。
 確かメンバーは、高田君と阿倍君だったと思う。なんで名前までよく覚えているのか。答えは簡単だ、彼らに激しく嫉妬していたのだ。おまえら名前忘れんぞと思っていたのである(笑)。
 当時私は高校生で、彼らは私と全く同年だったのだ。同じ年齢の小僧が、御大に作詞・作曲してもらい、フォーライフからデビューし、御大のセイヤングにゲストで呼んでもらって「またまた、拓郎さぁーん」とか親しげに話をしているのだ。羨ましくて気が狂いそうだった(笑)。オレの方が、こいつらより歌が上手いし(本人比)、御大やフォーライフにも深い忠誠心をもってるし、ルックスが彼らより劣るくらいだ・・ってそれ大きいだろ。
 しかし御大が描き下ろしで、詞まで提供するのは珍しいことだ。その貴重な提供曲の「放課後」。これが、ちょっとライトだけどポップで傑作なのだ。

 「あの女(ひと)と暮らすアパートでひとり明日のことなど考えずぅぅぅ」
 という鮮烈な出だしからわかるとおり、高校生男子が、年上の大人の女性と同棲するという もう男子万人の夢と言っても過言ではないシチュエーションなんだよ。

 「誰とどの人が大人なの本当の あのヒト教えてくれんだ   いつまでもココにいていいわってシャワーを浴びたぁぁぁ」
 ひー。鳥取県にお小遣い貰ってお母様に見送られて家出していた高校生の御大だから、これは実体験などではなく「あこがれ」が作らせた作品に違いない。まさに御大と男性ファンのあこがれ共同隊の作品である。当然、ねーさんたちファンは、しょーがねーなぁというところかもしれない。

 そしてもうひとつこの作品の何が魅力かって、石川鷹彦大先生のアレンジがスンバらしいのだ。イントロのギターの弾けながらたたみかける印象的なフレーズのカッコよさと言ったらない。  そして「授業時間は終わった 飛びだせ 外へ飛び出せ ウウウー」のビート感のあるサビ。そのサビの前に一瞬入るアコギのブレイク。これがたまらなくイカしているのだ。このギター石川鷹彦さんのご本人直々の技だと思うがどうだろう。そもそも石川さんのアレンジは「チークを踊ろう」BUZZの「あなたを愛して」などカッチョエエものが多い。

 ともかく、弾ける若さと青さが作品全体に漲っている、なんとも傑作である。しかし、私に歌わせなかったので結局ヒットせずじまいだった。勿体ない。幾星霜を経て、「LOVELOVEあいしてる」で、是非ともあの10代の頃のkinkikidsにカバーしてほしかった。ハガキでリクエストも書いた気がするが(涙)。彼らなら、きっとアトラクティブにこの歌を歌いこなしてくれたに違いない。かえすがえすも残念だ。

 こうなったら私が、セルフカバーするか・・「人生の放課後」って(爆)>聴かねーよ誰も

2016.11/12