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a day

2015. 9. 23

あれから9年。ノース、バスから手を振ってくれた御大、午前5時の朝霧の無人ステージ、幟、Tシャツ、最高の拓バカたち、A5、花火、みゆき、みゆきっ・・・すべては冥途の旅の美しい一里塚、聖なる場所に祝福を。

2015. 9. 24

あれから9年。祭りの翌日。解体されるステージ。撤収されるモノ。散じて行く人々。祭りのあとの寂しさは。機材を積んで出んとするスタッフのトラックの前に止まる一台の乗用車。運転席から顔を出した島村英二さんが大きな声で「お疲れぇ!気を付けて帰れよぉぉ」。涙ぐんでしまう。

2015. 9. 25

あれから10年。京都会館。「関西フォークは皆オレが嫌い。四面楚歌の中で中山ラビだけがオレに優しくしてくれた。」ついでに家族で京都旅行。一緒だった義父はもういない。京都駅前のパチンコ屋で「夏休みがいっぱい」に興じたK君。終演後の飲み会で一緒のJさんMさんペア。皆いなくなっちまった。なぜ急ぐ。御大は元気だぞ。

2015. 9. 26

現在の現在。ファンには2種類の日しかない。「御大が歌う日」と「御大が歌うのを待つ日」。問題は、後者の日々がとてつもなく多いことだ。今はこらえろ愛しい君よ。いや、俺よ。

2015. 9. 29

あれから40年。未明にオールナイトニッポン離婚宣言で最終回。俺達離婚することになりました。アンタら地獄へ行くよ。いつか街で会ったなら〜流れる。「炎上」の日々が始まる。御大年内休業と宣言し消える。ヨソのお宅で育児手伝いをしていたことが最近わかった。

2015. 9. 30

あれから8年。熊本市民会館で復活。越谷と変えてオープニングは、弾き語りのロンリー。俺一人で超えて見せるという気骨。終演後、前日から開始のツアーで、みゆきが「唇をかみしめて」を歌ったニュースが入る。もろもろで米焼酎鳥飼を飲みながら取り敢えずみんなで泣く。

2015. 10. 1

都民の日。もう休日じゃないのか。上京した御大が初めて貰ったボーナス。嬉しくてハイニッカのボトルを入れた。そして万札をカーテン・レールに吊るして、最後の一枚を「都民銀行」に口座開設して預金したという。凄くイイ話しだが、どこで誰に話せばわかってくれよう。

2015. 10. 3

現在の現在。・・秋。♪静かな、静かな里の秋。御大の定番。遠くで暮らす父を待つ母子の歌に共感したという下種勘。「アンドゥトロワ」の♪恋という名のピエロが踊る〜デモテープで御大は、♪秋という名のピエロが踊る〜と歌っている。原詞に一票。

2015. 10. 4

あれから35年。オールナイトニッポン初回を聴き、そのまま寝ずに新宿西口。御大・ナベサダ・ザワワ森山の野外イベント「TONY」へ。ザワワねーさんの「歌ってよ夕陽」すんばらしい。テンガロンハットの御大、新曲「ヒロシマ」と「アジア」で会場制圧。現在の現在。あの野外会場にはでーんと都庁が建っていやがる。

2015. 10. 6

現在の現在。ドラマ主題歌はどうなったのだろうか。おかげでしょーもない2015年秋ドラマを片っ端から検索。向井理主演「遺産争続」くらいしかない。パっとせんな。いつもパっとしないドラマばかりなのは慣れたが。しかし、新曲を待つ気分はイイものだ。これぞ至福なり。

2015. 10. 7

現在の現在。あのドラマではなかったか。夏にレコーディングもしたようだし、いろいろ企画が動いているらしいが目には見えない。「待つ楽しみ」もあろうが、みな高齢化しつつあるので、謎かけに堪えるのもシンドイ。サクサク予告して行ってくれると嬉しい。

2015. 10. 8

あれから20年。NHKホールで外国人バンドツアー1年目。とにかく印象的だったのは、コンサート時間の短さ。夕方5時から始まって6時半には全て終わって渋谷の街を歩いていた記憶。ライブは「質」だというが、それにしても短すぎ。量は閾値を超えて質に転化するというクボリ先生の言葉を思う。

2015. 10. 10

現在の現在。エルトン永田さんおめでとうございます。今日は、埃をかぶったタクロニクルを降ろしてきて乾杯しよう。宇宙歴で生きるエルトンさんに還暦は関係ないかもしれないけれど。長寿と繁栄を。

2015. 10. 16

あれから6年。加藤和彦は、もう誰も音楽は必要としていないと遺した。そんなことあるものか。御大も、そして御大の子どもたちである私達も、あなたの音楽に育まれ、あなたのいない音楽の世界に迷う。2人のあの歌たちを御大一人に歌わせるな。だいじょうぶなワケがないマイフレンド。

2015. 10. 17

現在の現在。訃報多過ぎ。昔、泉谷とタクシーに乗って「泉谷、泉谷」と連呼してたら運ちゃんが「円鏡さんですかい?」御大、泉谷も月の家も一緒だと大ウケしてた円蔵さん。ヒッチコック劇場の吹き替えの声が怖かったと御大が述懐していた熊倉一雄さんも。

2015. 10. 18

現在の現在。uramado「ファミリー」を全面書き替えた。この歌は、大切な歌だったことを友から言われて思い出す。たとえ書き替えて悪くなろうとも。詩人吉野弘さんのことを思う。「祭りのあと」も「悲しみは雪のように」もいっそう心に沁みる。

2015. 10. 19

あれから12年。ポン手術から復帰の公演初日。なんとフォーラム2回公演。病み上りなのに昼夜全44曲完唱。こういうのを本当の命がけの歌というのだ。昔のことだと言わずにもっとほめたたえよう。そういえば、あれから19年。LOVE2あいしてるスタート。なにかと記念の日。

2015. 10. 26

現在の現在。御大は元気だろうか。あの毎週のくだらないラジオが懐かしい。主人を待つ「小鯵のカリカリ揚げ」はどうしているか。音沙汰なく御大あなたは秋にのぼってゆく。そうそう「歌ってよ夕陽の歌」はいいなぁ。すばらしい胎教だったことを発見。続きはuramadoで。

2015. 10. 29

現在の現在。しかし、あらためて凄いスポーツ好きだなぁ。ジャンル問わない博愛主義者か。「セパタクロー」のボールを買ってた拓郎ファンを思い出した。これならセパタクローもオッケーでしょう。流行してくれ。スポーツばかり観ててアルバムが遠のいているんじゃないかなどと野暮なことは考えまい。

2015. 10. 30

あれから13年。忘れじのNHK101。ビッグバンドの船出。テレビでウケるとそのままテレビタレントやテレビの奴隷になってしまうミュージシャンが多い。でも御大は、ちゃんと音楽に帰ってきてくれた。それからも幾多の試練があったが、今も御大は音楽とともにある。

2015. 11. 1

現在の現在。秋になると「紅葉」だ。実際の紅葉もさることながら島倉千代子の「紅葉」。御大のメロディーとお千代さんの歌唱がおりなす愛の逸品だ。名作。御大と陽水が初めて顔を合わせた飲み会で、御大は小室等を背負って「東京だヨおっ母さん」を歌ったという伝説がある。

2015. 11. 3

現在の現在。文化の日か。憲法公布の日。満身創痍の感が強い憲法。御大の口癖だった「少数派よ、魅力的であれ」。そのためのよくできたシステムが憲法。石を投げられ攻撃を受けるのは当然。そういうものの楯になって少数派を守るためのツールだから。

2015. 11. 4

現在の現在。最近仕事でよく中野を歩く。こうしてみると中野サンプラザは美しい建物だ。特に裏に回って見上げるとそのシェイプがいい。無くなってしまうのか、ここも。ライブ73は、全曲コンプリート盤を出して、アルバム自体何かの殿堂に入れてしかるべきだ。それくらい名盤だと思うぞ。

2015. 11. 5

あれから35年。前日の渋谷公会堂ライブで前の席が、浅田美代子さんだった興奮がまだ冷めない。一緒のT君がステージの御大に「ダイエー!」と叫んだら笑ってくれた美代ちゃん。そして今日はアルバム「アジアの片隅で」の発売日。圧倒的名盤。しかしジャケット写真はピンボケじゃないか?。他にいい写真があったろうに。未だに疑問。

2015. 11. 6

現在の現在。フォーク界からは「おまえなんてフォークじゃねぇ!」と、フォークの外界からは「おまえなんかフォークじゃねぇか!」とディスられたことは御大個人の不幸であり、また日本の音楽界にとっての不幸でもあった。結局、御大の音楽的才能を一番理解していたのは、作曲家として重用したナベプロだったのではないか。ジュリーと双璧のアイドルであり、筒美京平と競い合うメロディメーカーとしてナベプロの懐刀として活躍する姿を妄想してみる。

2015. 11. 7

現在の現在。その時にリアルタイムでコレは名曲だと評価できなかったことが多過ぎる。あの曲もあのアルバムもあのライブも後になってから素晴らしいものだったと気づく。過剰な思い込みが自分の目と耳を曇らせ、それらが束になって御大をも苦しめていたのかもしれない。♪悲しみも喜びも遅れないうちに確かめろ。

2015. 11. 8

現在の現在。アルバム「青春の詩」のライナー。「『・・(マックスが)うますぎる、これじゃロックをやってもとうていかないっこない。』 と(拓郎に)フォークに転向を決意させた。」というくだり。いかにマックスが優れたバンドであろうともデタラメにもほどがある。こういう愛のない無神経なところこそ御大がエレックレコードを忌み嫌うゆえんではないか。

2015. 11. 9

現在の現在。世の中の「サプライズ」が氾濫してツマラナイ。しかし2009年のツアーで開場後、開演前に、客なんておかまいなしに歌った時はホントに驚いた。あんなことする歌手っているか?あれぞサプライズ。しかも「無題」に「たえなる時に」だぜ。聴き逃した自分は、しばらく御大を人でなしと恨んだものだ(笑)。あんなのびやかなスピリットでまたライブをやってほしい。

2015. 11. 10

あれから9年。ミルホドの武道館。御大の気持ちはいろいろあるのだろうが、それでもやっばり武道館はいいなぁ。あの日、壁にもたれて「唇をかみしめて」に聴き入る中山ラビさんを観た。映画のシーンのようだった。武道館よ屋根の梁を高く上げよ。

2015. 11. 11

現在の現在。橋本治「明日に向って老いよ」読了。正しく老いたいものだ。御大は年齢を超えてエネルギッシュな反面、昔から正しく老いようともしていた。老衰で死ぬ最初のミュージシャンになりたいとも。歯がゆく思ったこともあったが、そこが御大の凄いところだと今にしてわかる。

2015. 11. 12

あれから41年。シオノギミュージックフェア。御大、ムッシュ、南沙織。かっけーな御大。あの日、中学生は打ちのめされた。今観ても素晴らしい。南沙織、「伽草子」ちょっと歌詞間違えているが、その美しさといったらない。「シンシア」の大団円。至福の30分間だ。ドラムを叩いている冴えない青年が、やがてこうなったという貴重な記録映像だったりもする。

2015. 11. 13

現在の現在。雨畑は「マラソン」を聴くたびに「御大は天才詩人」と泣く。御意。もちろん「マラソン」だけではない。「時には詩人のように」ではなく「間違いなく詩人だ」。ただ坂崎君とのラジオを聴くと天才詩人とのギャップの大きさに苦しむが、それは御大のふり幅の大きさと思ってしまおう。

2015. 11. 14

現在の現在。TOPのイラストは、雨畑の知り合いの画伯に描いていただいたものだ。2009年のこと最後の全国ツアーに向けて私的に作ったTシャツ用に頼み込んだ。画伯は御大のファンではないが、小学校の頃、校庭の木に登って聴いてたトランジスタラジオから流れてきた「金曜日の朝」が彼にとっての御大とのことだった。しみじみ嬉しい。サイト制作にお世話になった方々と地下の店あたりで感謝の実施をしよう。

2015. 11. 15

現在の現在。昨夜は、秋恒例の中山ラビさんのライブだった。ラビさんの歌声はイイ。思い出すのは2009年加藤和彦逝去直後のラビ組ライブ。最後にボソリと「・・・偶然なんだけど1曲目と最後の曲が加藤和彦の曲でした」。2012年、御大にとって加藤逝去後の初ライブは、1曲目「ロンリーストリートキャフェ」、最後が「純情」。意識せずに通底しあう二人。

2015. 11. 16

現在の現在。「家へ帰ろう」を聴いて思い込む。御大は「家で一人」が好きな「おうちっ子」に違いない。もともと音楽も家の中にあるものではないか。外で大暴れし大活躍してきたが、人知れぬ覚悟と負荷のかかる作業だったのかもしれない。だからこそ音楽が切なく心に刺さってくるのだと思う。「おうちっ子」にとって一番の敵は「早く外に出てこいよ」という外圧だったりする。身を焦がしながらも、御大の必然が湧き上がって外に出てくる日を静かに待とう。

2015. 11. 17

現在の現在。阿藤海(快)さんの報に驚く。映画「幕末青春グラフティRONIN」の撮影の時、「『ここまで来たらもうハチャメチャに思いっきりやりましょうや、拓郎さん!』って感じで阿藤海さんと励まし合った」と御大が語っていたのを思い出す。♪わが友の切なさに 心が揺れていいればいい それだけでいい・・・ 映画「ヒポクラテスたち」のカタブツの医学生も好きで何回も観ました。お疲れ様でした。安らかに阿藤さん。

2015. 11. 18

現在の現在。そうか御大は方向音痴なのか。その昔、毎日運転しながら目黒通りが2本あることを気づかずにいた御大が小室等から笑われていたのを思い出した。♪人生は一本の道だったはず 僕はその道にも迷ったらしい・・さすが御大は何でも本格派だぜ。

2015. 11. 19

現在の現在。元気の出ない日は「季節の花」を聴く。雲間から光がさしてくるようだ。♪また嘘をつきまた夢をみる また迷ってもまた探す道・・リフレインのひとつひとつがいとおしい。60歳を超えてこんな清々しい歌が作れるなんて。いや、過ぎたからだろうか。ファンとしての至福。

2015. 11. 20

現在の現在。阿藤さんで思い立って映画「ヒポクラテスたち」を久々に観る。蘭ちゃんの復帰作でもあったこの映画。マニアのツボは、汚い学生寮にキャンディーズの「微笑み返し」が流れていて、部屋の壁に「ぷらいべえと」の緑のジャケットが飾ってある。御大画伯の描いた蘭ちゃん。自分もこのジャケットは大好きで学生の頃、壁に貼っていたよなぁ。

2015. 11. 21

あれから37年。名盤「ローリング30」の発売日にして、「小室等23区コンサート目黒」で御大が歌った日でもある。その日の思いはreverenceで書かせていただいた。2枚のLPと1枚のシングル、あのずっしりとした重さは今もこの手が憶えている。これが「幸せの重さ」である。

2015. 11. 22

現在の現在。かつて御大はどんなに歳をとってもステテコは絶対はかないと宣言していた。だから自分も頑張ってきた。それでも寒さに抗しきれずステテコをはいてしまった時の罪悪感と敗北感といったらない。心の中で御大にお詫びしつつ、こんなにも切ない思いでステテコをはいている人間は世界にいまい。もし御大が最近は、はいているのなら、ユニクロのステテコかヒートテックかのCMに「私もはいてます」と出てくれまいか。

2015. 11. 23

現在の現在。「星の王子様」でキツネが王子に言う。「麦畑を見ても何にも思わない。でも君が僕をなつかせてくれたら、君の髪と同じ金色に輝く麦畑を見ただけで、僕は君を思い出すようになる。そして麦畑をわたっていく風の音まで、好きになるんだ」。よくわかる。他人から見れば静岡にある芝生だけのただの広場なのに、この広場のことを思うだけで、僕らの胸に万感の思いが立ち上るのと同じだ。

2015. 11. 24

現在の現在。webmasterをしてもらっているNinjin design officeの雨畑氏は、最近、作曲家でキーボーディストの森英治さんとお会いしたとのこと。その森さんのお兄さんは作詞家の森雪之丞さんということだ。どんな人かと聞かれたので「オカマの作詞家で御大とキスしたことがあるそうだ」と御大がラジオで喋ってたまま教えたが、良かったのだろうか。仕方ない、30年前のノンフィクションだし。

2015. 11. 25

あれから38年。アルバム「大いなる人」発売日。連日プロモでメディアに怒涛の出演、ファンは嬉しかったけど、御大は大変だったろうな。現在の現在。靴の話。「音に酔う」。なるほど。だからキャンディーズの「やさしい悪魔」の靴音カウントの発想が出てきたのか。靴音は、C,A,N,D,I,E,Sにあわせて7カウント。「靴音のメロディー」(午前0時の街)なんて歌も大好きだった。

2015. 11. 26

あれから42年。現在の現在の今も何かとトピカルな話題のLIVE'73。御大、そういうことだったのですか。何があろうと不滅の金字塔だ。そして今日まで続く歴史的なビッグバンドのスタートでもあった。ああ、磐石にして繊細なビッグバンド演奏を漂う御大の今の歌声を聴きたい。

2015. 11. 27

現在の現在。まるで狂想曲のような騒ぎのマイナンバー制度。この騒ぎで、そうだ、御大ファンにとって何より大事なのは、TYISの会員番号だと気づく。どこにしまったか。風に吹き上げられたホコリの中を探さなきゃ。御大とファンを結ぶ貴重な番号をキチンと管理しておこうではないか。それにしても、さまざまな重大事をどさくさで決めてしまおうとする国の姿勢が気に入らない。

2015. 11. 28

現在の現在。寒い。おかげさまでここ数年はこの季節になると御大本人歌唱の「ふゆがきた」が脳内に流れる。ほっこりと心弾むようなポップなメロディー。御大は歌うのが恥ずかしいと言っていたがボーカルもまた瑞々しくて、嬉しい。かつて御大が「子ども達(提供曲)はいつか自分に帰ってくる」と言っていたとおりだ。よく帰ってきたね。帰ってきて欲しい子ども達はまだ山ほどある。

2015. 11. 29

現在の現在。WOWOWで観た奥田民生の広島マツダ球場。民生版アローンツアーだ。いつ聴いても、のびやかで素晴らしいボーカルだなぁ。今回は「結婚しようよ」だ。楽しそうに揺れている客席、「タクロー!」の掛け声も嬉しい。昼間から夕方そして夜へと移っていく広島の空。やたらひろい空間がまたいい。「風は西から」は、鹿児島の「風は南から」を意識してるのか。御大だと「風は南西から」だ。

2015. 11. 30

現在の現在。ポインセチアが街に並びだす。ポインセチアを見るたびに思い出す。昔、御大の家で、泥酔したムッシュかまやつさんが、飾ってあったポインセチアの真っ赤な葉っぱを食べ始めて「拓郎、僕は赤いものを食べたから共産党だぁぁ」とお叫びになったという話。やはり芸能人はカッ飛び方が違う。今もお食べになっているのだろうか。

2015. 12. 1

現在の現在。12月か。♪12月、愛。今、運命の河に出る・・・とは「決断の時」。「♪迷うからこそ真実の流れに近いはず 12月、愛。」なんと深く繊細な詩情だろうか。人知れず素晴らしい詞を書く御大。人知れるところではへーきで「肥後ずいき」とかエンガチョな話をしているから、天才詩人としてなかなか認知されない。

2015. 12. 2

現在の現在。季節的にイルミネーションが、街のそこここに輝く。それにしても2006年つま恋のステージのイルミネーションは美しかった。本番はもちろん、本番前の夜に、多目的広場の森に隠れて観た照明とイルミネーションのテストの風景も忘れられない。あんなにワクワクするイルミネーションはなかった。

2015. 12. 3

現在の現在。FNS歌謡祭を観るたびに思う。ひたすらピアノを弾き続ける武部聡志は、だんだん目がウツロになり毛髪は乱れ気味に、まさに武部耐久消耗レースを見せられているかのようだ。徳永英明さんの「やさしい悪魔」が嬉しい。彼の美しいボーカルを通して、あらためて深く素晴らしいメロディーであることもわかる。

2015. 12. 4

現在の現在。ご入籍29年ですか。おめでとうございます。どれだけの深い時間であったか外からは想像もつかない。それにしても、つぶやく文章が素晴らしい。後半は、もうそのまま詞になっている。熟読玩味す。静かなるラブソング「君のスピードで」は、ファンにとっても道しるべだ。私たちにも御大とともにまだまだ発見することがあるに違いない。御大に出逢えたLUCKに感謝しつつ自分も歩こう。

2015. 12. 5

あれから12年。期待と心配と感動が佃煮になったビッグバンド「豊かなる一日」ツアーが仙台で終わる。これが2006年つま恋に向けてのロードの始まりであることをまだ知らない。あれから34年。発売日順延になっていた「無人島で」発売。A面御大、B面松本隆の背中合わせのランデブー。意気軒昂のA面がB面でどよーんと失速する気がしてならない。もちろん大好きなアルバムだが。表裏一面海の青。

2015. 12. 6

現在の現在。甥っ子の大学ラグビーの最後の試合で秩父宮に。満杯のラクビー場を観ると、ああここで御大が歌ってくれたらなぁと余計な気が散ってしまう。リザーブのままで大学も負けてしまった。悔しかったろう。でも、よくぞ戦ってきた。「ウィンブルドンの夢」を聴かせてやろう。まだ少し早いかもしれないが、いつかこの歌に救われる時がくる。その日はきっとやってくる。

2015. 12. 7

あれから9年。「ミノルホド」大阪グランキューブでの最終公演。つま恋のウィニングランのようなツアーだった。2002年NHK、2003年の病後から続いたビッグバンドツアーのオーラスであり感慨深い。ライブの最後で退場前に、瀬尾一三としっかり握手をした御大。胸が熱くなる。たまたま隣の席が田家秀樹さんだった。心の中で、ダチになった気分で観る。

2015. 12. 8

あれから35年。ジョン・レノンの命日。「結局アブレ者は、社会から抹殺されるんだ」と泣いた御大。だからこそ少数者への愛を訴える御大。レノンが死んだ40歳までは墓参りのつもりで歌うという5年間のロードが始まる。時は流れいつか心の海に出る。

2015. 12. 9

現在の現在。TYのSeason Greeting。オトナが喜んでてイイのかと頭をかすめるも嬉しいものは嬉しい。Seasonといえばアルバム「クリスマス」。ヤマタツのクリスマスがどんなに世の中を席捲しようとも、御大の「諸人こぞりて」があれば泰然と構えていられる。そのくらい素晴らしい。もともと吉田拓郎単独のアルバムの企画だったそうでそれも是非聴きたかったが、やはりあのクリスマスの泉谷は何にも替えがたい。

あれから6年。kkの忘れ得ぬ一夜。御大の素晴らしさをあらためて胸に刻みつけることになる。

2015. 12. 10

現在の現在。武田鉄矢「昭和は輝いていた」。いつものことたが、私のような思い詰めたファンには、検定教科書みたいな御大の薄っぺらな扱いが淋しい。圧倒的なみゆきさんの「世情」を観て「金八っつぁん、田家センセー、アンタらがついていながら、なんだよこの御大の扱いはよぉ!!」と中学生になって暴れたくなった。それにしても、「僕らの時代は女性はこの二人しかいなかった」と御大が嘆いていたイルカと五輪真弓さんが揃って鎮座されてて・・・

2015. 12. 11

現在の現在。今日は、亡くなったレイニーズバンドのKAZ南沢さん誕生日記念ライブ。BIRTHDAY LIVE TO HEAVEN 最初はKAZさんが御大プロデューサーのもとで青山徹とともに原田真二のバックを務めた逸話や、レイニーズバンドでは、エルトン永田氏のキーボード、島村英二、鎌田清両氏らのツインドラムが炸裂するところに惹かれたものの、やがてKAZさんのあの絶品なボーカルとギターに魅せられていった。いつもブルースというものを本気で教えてくれた。あれこれ万感。

<追記>豪勢なライブでした。KAZさんの笑顔が浮かびます。
ステージ写真を撮っているタムジンさんの娘さんの写真を(笑)。写真奥はエルトンさん。
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2015. 12. 12

現在の現在。昨夜、若手からベテランまでたくさんのプロミュージシャンを観た。若手の方々を観ながらふと思ってしまった。例えばライブ73の時、御大は27歳、瀬尾さん26歳、松任谷正隆22歳、高中正義20歳、田中清司25歳、岡沢章22歳・・・制作した後藤由多加にしてからが24歳でまだ大学生だった。二十代ほぼ前半の「若造」たちによって創り上げられていたことにあらためて驚く。

2015. 12. 13

現在の現在。映画「刑事物語」は、夕暮れの突堤の遠景に御大の歌声が入るところが何度観ても素晴らしい。映画のこういう風景映像だけを使って武田本人が出てこない(ココ大事)この曲のプロモーション映像を作ってほしかった。「4」の屋台のシーンは、御大凄く演技がうまい。出て行き際のちらっとふりかえる表情もいい。特に植木等好きとしては、貴重な共演ショットでもある。

2015. 12. 14

現在の現在。忠臣蔵討ち入りの日。松の廊下で吉良に侮辱されるくだりは、どうしても布施明とデビュー間もない御大を思い出す(笑)。御大は長いことかなり怒っていたので、何年か前に「きっと布施さんは油断しているので、12月14日に御大の敵うちのために討ち入りに行きましょうか。」とラジオ番組にメールしたら、読んでくれて、まんざらでもなさそうだった。申し訳ない、まだ行けてませんが、いつか必ずや。・・・「何やってんだバカヤロー」と布施さんに腹式呼吸で怒鳴られるだけでしょうが(^^ゞ

2015. 12. 15

現在の現在。オールトゥギャザーナウ聴きながら。さだまさし「涙も枯れて立ち尽くす者たちよ」から拓郎「でも君の瞳は美しい そう君の命は永遠なのだぁぁぁ」、このコントラストあるリレーがたまらなくいい。祈りのような美しい詞だ。「今こそその手に小さな勇気をもて」・・小さな勇気を持つことも一歩だけまえへ踏み出すことも一番大変なことだ。御大はわかってるんだなぁ。

2015. 12. 16

あれから17年。全部抱きしめてツアーで東京国際フォーラム。初フォーラム。えっ!?17年と驚くことしきり。あの日生まれた子がいたら17歳なのかっ!つい昨日じゃないの。翌17日と二日公演だった。LOVE2との蜜月ツアーの始まり。なんといっても、御大が椅子に座っておらず、すっくと立って歌っていたことに感激したことが忘れられない。腰はくれぐれも大切になさってください。

2015. 12. 17

現在の現在。不安だけれど、わからない以上通常運転で行こう。じっと、こうして、じっと待つことに慣れよう。肩抱き行きずり生きる命感じながら。・・・やはり舌が回らない。こんな言葉を書いた人、曲をつけて平気で歌う人どちらも凄い。

2015. 12. 18

現在の現在。岡本おさみさんのご冥福をお祈りします。そんな言葉ではおさまらない余りに大きすぎる人だ。汲めども尽きせぬ思いがあとを絶たない。「過ぎ去るものたちよ、そんなに急ぐな」と言った人が。すべての拓郎ファンが同じ夜を迎えているに違いない。幸運にもつま恋2006の翌日に帰りのバス待ちの岡本さんにお会いできた時、優しく気さくな笑顔で「拓郎の唄は凄かったねェ」と話してくださったことが忘れられない。息子さんの言うとおり、永遠に生きておられるものとして変わらぬ想いで作品と触れ合っていきたい。それしかない。

2015. 12. 19

現在の現在。岡本さんの訃報を受けて、新聞、ブログの追悼記事が静かに湧き上がるように集まっている。やはり岡本さんと同時代の地獄を共にし凄絶な歩みを生きてきた人々の言葉は凄みがあり、美しい。私のような薄っぺらな若造(という年齢でもないが)とは違う。その岡本さんの深奥をなぜ御大だけがこんなに引き出すことができたのか。普通の作詞家・作曲家の関係とは違う、お互いに片割れを探し求める本能のような関係を思う。

おおっと、あれから31年、武道館で御大がそれまでのツアーのセットリストになかった「人間なんて」を突然絶唱。「あの人のようにと考えるな自分らしさを見せてくれ」「サヨナラ人間なんて」。今のところ最後の人間なんて(89-90は別曲ということで)。

2015. 12. 20

現在の現在。「君のスピードで」を聴くと、御大の当時のラジオでの話を思い出す。「夫婦二人で空を眺め同じ気分を共有していると思う時、自分はいいLuckをひいたんだと思うんだ」。その御大の話を思うと、いしいしんじの「プラネタリウムのふたご」という小説の一節「(大切なことは)たったいま誰かが自分のとなりにいて自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ。」が思い出される。そしてまた、かの曲を聴き直すという循環。

2015. 12. 21

現在の現在。どちらも同じ年の作品だが、♪太陽に向かって走っていれば良い(帰らざる日々)、♪太陽に背を向けて走れ(証明)。御大、どっちなんすかっ?

御大はきっと言うだろう「自分で何とかしてもらうしかないね」。すべては御大でなくその人の問題である。

2015. 12. 22

現在の現在。岡本おさみさんの追悼文や記事はどれも胸に沁みる。ただ、岡本さんは落陽や襟裳岬の時から40年以上も生きて詞を書き続けた。御大だってバリバリ現役で作品を創り歌い続けている。「月夜のカヌー」や「歩道橋の上で」といった作品たちの素晴らしさ。年月を経ながら彼らが何を考え、書き、歌ったかということも大切だ。それを愛でられるのは私らファンしかいないのか。まさに「旅に唄あり」と同時に「唄にこそ旅あり」なのではないかと思う。

2015. 12. 23

現在の現在。天皇誕生日。昔、原宿駅に御大のONLY YOUの巨大看板があって通学電車から毎日眺めていた。今は明治神宮の月替わりの御詠歌の看板がある。特に関心はなかったのだが、ある月の歌がふと目に入った。
「おほぞらに そびえて見ゆるたかねにも 登れば登る道はありけり」
"目の前のマッターホルン"のような高い山でも、いざ登ってしまえばそれなりに何とかなるという明治天皇の歌。んー、これはまさに御大のロックのスピリットと同じではないか。さすがは聖地原宿。意味不明に感動した。
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2015. 12. 24

現在の現在。「悪魔の一矢(ひとや)を打ち砕きて」と思っていたが「人牢(ひとや)」なのか。悪魔の人牢を打ち砕きて、虜を放つ。牢獄からの解放ということか。「今日からお前の身体はお前自身のものだ/お前の心はお前の身体に戻るさ/そう自由の風に酔え 全てを解き放て」(RONIN)。これも名曲だ。私も御大に解放してもらった一人だ。しぼめる心に花を咲かせ、この世の闇路を照らして貰った。来年は諸人こぞりて御大をむかえまつりたい。いつでも御降臨ください。

2015. 12. 25

あれから40年。オールナイトニッポンの衝撃の最終回・離婚宣言のあと世間の表面から消えていた御大。前日の12月24日に数か月ぶりに「ユイの来年もよろしくコンサート」に姿を現したとのニュースが電撃的に走る。「大歓声の中、『水無し川』の重苦しい歌が演奏された」と言う新聞記事が印象に残っている。最近になって、失踪中は他人の家に居候して育児を手伝いをしていたとのこれまた衝撃の真実を知る。

2015. 12. 26

現在の現在。2009年「すばる」の重松清によるインタビューは今も時々読み返す。御大の言葉ひとつひとつが貴重だ。そして重松が拾った小さな一節が重い。
「拓郎氏は、インタビューの場所に一人でやって来た。マネージャーもレコード会社のスタッフも連れていない。ほんの数分の遅刻だったが、わざわざ途中で「少し遅れますから」と編集部のスタッフに電話まで入れてくれた。」
スターでありながら取り巻きも子分もなく孤影悄然とひとりゆく御大。ファンとしては切なさとそんな御大を誇りに思う気持ちとがないまぜになる。
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2015. 12. 27

現在の現在。恥ずかしながら「嵐」の東京ドーム公演。場内酒類販売禁止で自分が歓迎されていないことを思い知る。しかし、照明、演出、ビジョンの映像すべてにおいて凄いエンターテイメントになっていて驚いた。\2300のライトを殆どのファンが購入し席のコードと同期させ、自在に変化する5万人の光の海となる美しさ。おじさんには冥途の土産状態だ。個性豊かな頑固者が集まる御大のライブではこうはいくまい(笑)。尤もこのドームをフツーのコンサート会場として淡々と新曲を歌った御大の気骨だけで私は十分だ。しかし、こんなライブをフツーに体験した青少年たちが将来どんなものを創るか楽しみである。
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2015. 12. 28

現在の現在。レイニーズバンドのライブで時々行っていた目黒ブルースアレイ。ドラマで綾野剛がピアノを弾いていたライブハウスはあそこだったんだと気づく。そういえば先日も日記に書いた故KAZ南沢さんの追悼ライブの時にドラマのポスターが貼ってあった。あのドラマの綾野剛にはやられた。共演の松岡茉優も「桐島部活」とは正反対の役で演技力の深さにまいった。

その先日のブルースアレイでお会いできたドラムの鎌田清さんも素敵な方だった。「え?SATETO?東京ドーム?やりましたけど、そんな昔から拓郎さんのファンなんですか」・・・つい最近のことだと思うのは私だけではないと思う。
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2015. 12. 29

現在の現在。「言葉を紡ぐ人」。結局、人間同士の好き嫌い、相性、愛憎、はからいなんて芸術の前では屁みたいなものということか。距離を取りながらも御大の思いが溢れてくる達意の文章だ。そうやってまた一人行く御大。・・・大丈夫だ、私がついているぞ。
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2015. 12. 30

現在の現在。かつて御大が鹿児島に父の声を聞きに行ったのをマネて、今年、自分のルーツ長崎県五島列島の奈留島を半世紀ぶりで訪ねた。台風で酷い目にあったし、誰の声も聞こえなかったが。先日、ユーミンが「SONGS」でその島の歌碑を訪問していて驚いた。ニアミスだった(笑)。ユーミンの素晴らしさをあらためて思い知る。しかもこれまた個人的因縁の「星の王子様」と故郷奈留島が繋がるとは。星の王子様のキツネによれば「世界にヤマとある小さな島だが、キミがなついたから「奈留島」と「篠島」はかけがえのない島になったんだぜ」ということか。
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2015. 12. 31

あれから36年。79年の総決算のようなSUPER JAM。最後の「ファミリー」を歌い終えたとき御大が目に涙を溜めていたのをテレビで確かに観た。後日観た録画には映っていない・・・間違いなかったはずだが。そして15年後、紅白で歌う御大。坂本龍一の言う「コントロールできないシャイネス」が発動。惜しかった。紅白といえば75年は、マチャアキの「明日の前に」、良子さんの「歌ってよ夕陽の歌を」。この時、直太朗がお腹にいたことは大発見だと思ったが、人々の反応は悪い(笑)あれこれ思いながら、微妙にふてくされて歌う川村ゆうこ・桜井久美の「大晦日」を聴く。
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2016. 1. 1

現在の現在。皆様にとって平和で佳き年になることをお祈りさせていただきます。あれから70年、あれから30年、あれから10年だったり、人間だから求めてしまうけど、御大、あなたはあくまであなたのスピードとテンポにこだわってください。いつまでも静かに熱く待っております。
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2016. 1. 2

あれから16,7年。そういえば年末年始LOVELOVEのスペシャル番組で御大がぶっ続けで24時間テレビに出ずっぱりという事があった。番組中、東京ドームのジャニーズライブでクレーンにまで乗った御大。今さらですがお疲れ様でした。日頃「朝までやれ」「明後日までやれ」とか叫んでいるファンも、いざこれだけ御大に露出されると自分たちも大変なことになることを思い知ったものだ。分刻みの番組移動で「ウンコもさせてくれないのか、フジテレビは!」という御大の悲痛な叫びが記憶に残っている。
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2016. 1. 3

あれから34年。元旦の御大の家に武田鉄矢、西田敏行が家族で御挨拶に来た話を思う。リビングの白い壁にマジックで落書きする阿鼻叫喚の子供たち。「他人の家だけど自由に描きなさい」と放置する武田(笑)。泥酔して「外は白い雪の夜」でチークを踊る御大と西田。篠島の「人間なんて」を観て感動し泣き出す西田。…現在の御大が静かな正月を好まれるようになった一因ではないかと拝察する。そう言えばUFOの美しい辻さんはお元気だろうか。

2016. 1. 4

現在の現在。結局、御大の考えていることはわからない。あれこれ考えても大方ハズれる。いつも予想外のところからやって来て、たちまち背中を見せてどこかへ行ってしまうのが御大だ。出来上がりつつあった「予定調和」もキチンと回収していってくれる御大(笑)。もう黙ってついてくしかないと達観もできず、煩悩を抱き悶々としながら私の旅は続く。正月は冥土の旅の一里塚。今年も「おー、そう来たか」と驚かされるに違いない。
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2016. 1. 5

現在の現在。正月テレビドラマ「坊ちゃん」を観る。何回も映画・ドラマ化されたが、私には竹脇無我だな。山嵐が田村高広で、赤シャツは米倉斉加年、マドンナは山本陽子。1970年秋のドラマだった。御大が「オンステージともだち」の「されど私の人生は」の前に「行くぞなもし」と言っているのは、このドラマの影響ではないかと思っている。それとも伊予弁は瀬戸内を挟んで向かい側の広島にも波及しているのか。かなりどうでもいいことぞなもし。

2016. 1. 6

あれから26年。人間なんてツアーの仙台公演。行ったわけではないが。ビデオで垣間見た楽屋での会話。「ね、大体、1月の6日からツアー始めるヤツなんている?いないよね?」と同意を求める御大、すかさずベースの清水仁が「いないですね。だいたい1月、2月はいませんね。」の合いの手に「・・・2月もいないか?」と一瞬うろたえる御大が面白い。清水仁のテキトーさがトテモ良い(笑)。
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2016. 1. 7

現在の現在。夜明けに目覚めてテレビで映画「あの頃ペニーレインと」を観てしまう。何度観てもイイ。御大たちもあんなコンサートツアーをしていたのだろうか。ホントに極悪人だ(笑)。しかしミュージシャンとそれを追いかけるファンの心情には心の底から共感してしまう。険悪な雰囲気の移動のバス車中で全員がエルトン・ジョンの「タイニーダンサー」を歌いながら気持ちを修復させていくシーンは実に感動的だ。音楽のチカラを感じる。写真は、昨年、原宿ペニーレインに残っていた唯一の痕跡。
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2016. 1. 8

現在の現在。酔っぱらった夜のひとりぼっちの帰り道、音楽を聴きながら一緒に歌っていることが多い。もうベタな酔っ払いだ。昨夜は、井上順の「風の中」。ずっと凡作だと思っていたが。「・・ふと見上げれば月も今宵は何だかいいね 何だかいいねぇ ああああ風の中」。岡本さんの優しい詞、御大のゆったりとしたメロディーが心に沁みる。レコーディングの時、御大を困らせたという順さんのボーカルも温くて味わい深い。名曲ばい。

2016. 1. 9

あれから15年。御大ハワイツアー。空港で「サインしない、写真撮らない、歌わない」と3ないルールの注意。現地最初の行事マウイ火山見学に御大堂々と欠席。「3ない」に加えて「本人いない」(爆)。とはいえ生御大のハンパないオーラとハワイの空気、そっけなさの中に時々みせる御大の優しさに至福の時間。「禍福はあざなえる縄のごとし」というが、この旅行に限らず「試練と幸福があざなえる縄のごとく」よりあっているのが御大ファンの行く道ではないか(笑)。今はこらえよ愛しいオレよ、ああ人生は回り舞台だ。
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2016. 1. 10

あれから26年。人間なんてツアー武道館。「昔を思いっ切り懐かしむ」構成だったがオーラスの新曲「俺を許してくれ」の素晴らしさが胸を打った。2014年ライブでの新曲「アゲイン」も同じだった。まるでライブの懐かしい曲たちがみんな「新曲」に向って収斂していくかのようだった。そして反対にその「新曲」がかつての曲たちに光を与えるような、そんな素晴らしい構成だった。ともかくカーリー・長髪の御大はこの日が見納めだ。

2016. 1. 11

あれから32年。「情熱」ツアー武道館2days公演。愛と哀しみの武道館。風吹く武道館に立ち尽くす。シンプジャーナルは居心地の悪そうな拓郎と書いた。しかし、この日の御大の最後のMC「みんな今年はいい年になるようにね。少なくともオレよりはいい年でいてくれよ。」が今も忘れられない。この日のことを富澤一誠は「僕らの祭りは終わったのか」と書いた。終わったのはおまえだけだ。私らの旅は今も続くのだ。

2016. 1. 12

現在の現在。「18時開演」の「風の街」がいい。原曲ももちろん大好きだが、本人歌唱なくともこのインストは心に沁みる。これだけを何度も聴いてしまう。御大のメンバー紹介は「ギター古川望・・・ドラムス島村英二・・」と進んで最後に「みなさん瀬尾一三です」と結び満場の拍手が湧く。さすが瀬尾さんだ。例えば結婚式の両家ご紹介で「新郎父の田中一郎です、新郎母の田中花子です、そしてみなさん田中吾作です」・・きっと「吾作って誰だよ」となるに違いない。しかし瀬尾一三あってのビッグバンドであり、アレンジャーであり指揮者でありバンマスでありということで肩書きを超越した存在である風格を感ずる。

2016. 1. 13

現在の現在。37歳の御大が、ジョンレノンの亡くなった40歳までの時間を指を折り数えて「時間がないんだ」とよくつぶやく・・と昔の詩集「BANKARA」のカバーに松本隆が記していた。思い詰めている御大が浮かぶ。ウィッシュ!!とかやってる幸せ絶頂のロックミュージシャンのDAIGO君が37歳と知って、そんな御大がちょっと不憫になる(笑)。好青年だし比べるものでもないけれど。

2016. 1. 14

現在の現在。国民のSMAP問題の盛り上がりが凄い。事務所の派閥・解散原因から将来展望に至るまでこんなにも愛をこめ熱くなって分析できれば、混迷する国際政治を読み解いて戦争を回避することくらい簡単ではないか。SMAPといえば中居くんがリードボーカルになってテレビで「ともだち」を歌ったのを思い出す。いい感じだった。それにしても結局、日本で不滅のバンドはアルフィーしかないことを思い知る。なんとなく気安く思っているが(笑)凄いバンドなのだ。

2016. 1. 15

現在の現在。明日のBSジャパンの録画を予約せぬば。素晴らしいシンガーとは思うが、なぜ松田聖子もここで一緒なのかが私にはよくわからない。長嶋茂雄と松井秀喜が二人一緒に国民栄誉賞をとった時と同じような「いみふ」感がある。えーと問題はそういうことではない。とにかく御大の魅力が人々にきちんと伝わりますように。由紀さおりの「ルームライト」、大野真澄は「ダンディー」が聴けたりするのだろうか。まさか。

2016. 1. 16

現在の現在。カラオケで岡本おさみを歌おうとしたら胸が詰まって歌えない(涙)。加齢なのか。見慣れたはずの言葉のひとつひとつが妙に心を迫ってきてたまらない。私ごときがそうなのだから御大はいかばかりか・・と余計なお世話ながら思ってしまう。御大の曲はあきらめて、昔、御大の作曲と間違えてレコードを買った森進一「きみよ荒野へ」を音程外しまくりで歌う。「心のままに生きようとして傷つき倒れ 偽りさえも許すようになってしまった」・・御大のメロディーでない作品は何とか歌える。やはり岡本さんの言葉と御大のメロディーは不即不離なのだと思い知る。

「原宿に抱かれる」・・まったく詩人なんだからもう。

2016. 1. 17

現在の現在。というワケでお茶の間の一般の皆様、御大の偉大さが少しはご理解いただけましたでしょうか。原宿を歌ったもうひとつの名曲「街へ」の「例えば嵐に呑みこまれても歴史はそれを見逃さない」の歌詞を思う。広島からコネもバックもお金もなく上京し、怪しいレコード会社につかまってくすぶっていた若者。いつ消えてもおかしくない状況でも歴史はちゃんと見つけ出した。本当の天才はどこにあっても世の中が必ず見つけ出す。Ninjin Designの雨畑によれば「野口英世」理論というらしい。


あれから21年。阪神淡路大震災。こんな私ごときですが、心よりお祈り申し上げます。

2016. 1. 18

現在の現在。ありふれたこの街にいたずらな雪が降る。「いたずら」か「いじわる」かどちらにするか検討されたらしいが、こうして駅にも入れず足止めされると「迷惑」だ(笑)。雪に罪はないか。「雪」「外白」と並ぶ雪三部作の中でこの「ありふれた」が一番好きだ。ステージで聴きたい。この雪の中どこかへ向かうすべての同志たちよ頑張りましょう。

御大の歌を思い浮かべようとするのだが、泣きじゃくる大竹しのぶの「化粧」と殺意が覗くような中村中の「怜子」が交互に頭を占領している。

2016. 1. 19

現在の現在。テレビで垣間見ただけだが中島みゆきトリビュートライブ「歌縁」は凄かった。トリビュートとかカバーとかいう言葉が薄っぺらに聞こえるくらい素晴らしかった。満島ひかりの「ファイト」がカットされていたのは残念だが。こんなふうに情念こめて御大の歌を歌い上げてくれる歌手たちはいないのか。このライブ、渡さんちの漣くんのお仕事だったのですね。ハラショ。

2016. 1. 20

現在の現在。SMAP生放送を観て、たかが一般Pのヘタレおじさんにエラそうに言えることはない。ただただ悲しかっただけだ。
魑魅魍魎が跋扈する芸能界の怖さは想像を絶するものだろう。しかしそんな怖い芸能界に挑んで「コンサート・ツアー」という新しい活路を見出した先達がいる。日本中のレコード会社が敵になって潰しにかかられても、あっけらかんと「通信販売で行こう」と腹をくくった先達がいる。この先達の気骨と矜持を見習えなかったのか。
かつてLOVE2で同席した時、その先達から「お互い名前が開拓の『拓』だよね。」と言われて「開拓の『拓』って初めて言われました。」と少し嬉しそうだった君。君は今回、開拓の『拓』になれたのだろうか。
私達は何十年と私達にとっての開拓の『拓』に勇気と元気を貰ってきた。今もだ。君ないしは君らは、社会のそれぞれの場面で四面楚歌の中でも長いものに巻かれずに孤軍奮闘しようとする君らのファンの若者に対して勇気と元気を送れたのだろうか。
たとえホされても君たちを全力で応援しようとする圧倒的な数の国民が溢れていたはずだ。

2016. 1. 21

現在の現在。「言えることはない」と言うそばからあんだけ書いてしまった昨日の日記。「君たちはどう生きるか」でコペル君に説教しているおじさんの気分だ(汗)。昨夜、エルトンさんのピアノを聴く。一音一音に心がこもって美しい。このピアノを聴くとやはり御大の歌声が恋しくなる。どこかで二人でサラリと歌ってしまうわけにはいかないのだろうか。「言葉」を熱唱した青年にも心洗われた。音楽のチカラを思う。
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2016. 1. 22

現在の現在。ナオミという洗礼名でいらしたのですね。不明にも大坂なおみさんも存じ上げず、勉強させていただいた。がんばれ「ウィンブルドンの夢」。しかし私の脳内ではヘドバ&ダビデの「ナオミの夢」がひたすら踊りまくっている。

2016. 1. 23

現在の現在。高中正義のアドリブとベースと言われると昔から何度も聴いてきた作品たちがまた新しい様相を魅せてくれる。たまらん。それにしても高中正義は、この時19〜20歳になったばかりのはずだ。まだガキのような年齢で何だろうこの咀嚼力と表現力は。ノーテンキな雰囲気で老成しているようにも見えないし、天才の御大と一緒で向上心もなさそうなのに(笑)。ああ、また御大と並んだ姿が観たい、聴きたい。
御大「高中さんはモデル系の方に大変おモテになります」高中「拓郎、女優系じゃん(笑)」この会話が好きだ。

2016. 1. 24

現在の現在。忘れられつつある御大の提供曲、DUOの「放課後」を聴く。御大には珍しく作詞・作曲の提供だ。この詞は全ての少年にとって身悶えするような憧れの世界に違いない。私もこんなイケナイ少年時代を体験したかった(笑)。十代の頃のkinkikidsとかにカバーさせたらピッタリだったはずだ。石川鷹彦はアコギの神様だがアレンジになるとメチャボップでカッコイイ。♫授業時間は終わった〜の直前のギターのブレイクがたまらん。ウキウキするような「チークを踊ろう」のアレンジを思い出す。それにしてもこんな曲が世の忘却の崖っぷちにあるのはもったいなさすぎる。かくして「崖っぷちの御大メロディー発掘隊」略称「崖メロ隊」の活動は続く。

2016. 1. 25

現在の現在。長崎にも沖縄にも冷たい雪が降っている。寒さが骨まで突き刺す。仕事先から、家人から、町内会からあれこれ行事日程調整の打診がくる。しかし何より御大の日程が優先だから放っておいたら、そろそろ怒られ始めた。かまわん。「就職、結婚、町内会の副班長、そんなことのはるか昔から御大のファンだったのだ。逆に御大のファンが、たまたま結婚し就職し町内会にいただけだからどっちを優先するかなんてナンセンスだ!!」と啖呵を切ってやった。心の中で(爆)。

2016. 1. 26

現在の現在。「僕の道」はイントロから胸わしづかみだ。この道が「家路」のことだとはわからなかった。家を出て放浪の末に家をみつける。岡本おさみの「家族」はどこか家に捕まった悲壮感があるが、僕の道の家路は清々しい希望に満ちている。誰にでもあるありふれた日常こそ、かけがえのないものであるという御大の思いだろうか。こんな新曲が60歳をとうに過ぎた御大から届く。当たり前と思っていたが、これぞファンのかけがえのない日常。

2016. 1. 27

現在の現在。小田和正がどんなに高い声で歌おうが(笑)「君住む街」といえば御大である。「二郎ちゃん、辛いんだよ。」と御大が語りながら創ってくれたという(杉田二郎談)深い愛と哀しみの名曲。♪寒さを知ったらもう春になる・・・泣けるぜ。

2016. 1. 28

現在の現在。このサイトを支えてもらっているNinjin Design Officeは代表が「人参」が好きだからつけた社名らしい。そのまんまだ。御大の著書の中で、多くの子供に嫌われても大手を振って歩く人参を讃えて「人参よ永遠なれ」とエールを送る名エッセイがあった(笑)。そういえば昔、御大は好きな食べ物は「セロリ」と言っていた。おかげで自分もセロリが食べられるようになった。SMAPが歌にしなければ「フキの唄」に続いて「セロリの詩」もありえたのではないか。

2016. 1. 29

現在の現在。「ひらひら」。そうなんです中日新聞のコラムさん。でも「ひらひら」は単なる予言ではなく御大が身を切って示した事実だ。あの時、新聞は何を書いて、何を書かなかったか。新聞がなすべきことはこの作品を通してそのことを省みることだと思う。炎上の中、御大を信じて警察署を取り囲んだファン、四面楚歌の中で御大を応援しつづけたファン。そんなファンの方々を心から尊敬する。自分があの時ファンだったとしてもそういられたかは断言できない。そんな世の少数者たちの愛のある気骨を新聞はきちんと拾ったのだろうか。そこだよ新聞。

2016. 1. 30

現在の現在。「生きざま」という言葉を初めて知ったのは「おきざりにした悲しみは」だった。なんと深い言葉だろうと感動した。その後、冨澤某あたりが「生きザマ」を乱発するにつれて色褪せ始め、昨今の大臣の会見に出るに至ってもはや薄っぺらな言葉になりさがってしまった。みんな岡本さんに懺悔しな。

2016. 1. 31

現在の現在。当時も「図画2は絵を描くなという成績。ちなみに図画1は絵を観るなという成績だ。」と卑下していたが「ぷらいべえと」のジャケットは名画だ。原画をお持ちならサザビーズかクリスティーズに出品していもいいと思う。 自画像。「セルフポートレイト」のようなアルバムを企画中なのだろうか。平面と奥行き・・「鈴木茂の顏は奥行があるので何にも考えていないのに思慮深くみえてトクだ。平面顔の拓郎や自分は損だ。」と言って御大の怒りを買った(笑)というBUZZの東郷さんを思い出す。

2016. 2. 1

あれからほぼ40年。今度の新曲のタイトルが「明日に向って走れ」と知った時は、映画「明日に向って撃て」のパクリみたいだし、詞もなんだか重たいし、変な歌だなと思った(爆)。子どもながら自分の不明を恥じる次第だ。あれから幾年、身を削るようなこの作品を聴くたびに感銘はどんどんと深くなる。その後「LIFE」のリミックスで隠れていたギターの美しい音色が現れてきたのも嬉しかった。丁寧に創り込まれていた大人の仕事を今さらだが思う。

2016. 2. 2

現在の現在。もうすぐ節分だ。早い。外は鬼、外は春。「恵方巻き」のこれだけの普及はコンビニのチカラだろうか。太巻き寿司。御大のエッセイで、子どもの頃、家で作ると、端っこの切り落としを食べさせてもらえるのが嬉しかったというくだりがあった。御意。太巻きのささやかな端っこに大きな幸福が凝縮している。

2016. 2. 3

現在の現在。高杉晋作は平和な世の中に生まれていたら詩人になっていただろうと言われる。武田鉄矢にはそこを御大とシンクロさせた映画にして欲しかった。そんな高杉晋作の詩
  「西へ行く 人を慕いて東行く わが心をば 神や知るらむ」
なんとも意味深く切ない。俺はどこへ行こう、君はどこへ行く。

2016. 2. 4

現在の現在。このサイトは偉そうな駄文で昔話を綴っているものの、吉田拓郎さんご本人の真実や思いとは違うだろうし、ファンの方々それぞれの抱く吉田拓郎像ともまた異なるし、ましてや市井の人々にとっては意味不明なハズで、まさに三界に住処なしの状態だ(笑)。しかし、ひとつ自信めいたものがあるとすれば、この昔話は懐古などではなく、不完全な自分が人生の厳しい極北を行く時の「明日」への"よすが"にしっかりと繋がっていることだ。勝手とはいえ、こんなにも素晴らしき音楽と詩と人物を讃えずにいられようか。この命ただ一度、この心ただひとつ、俺も許してくれ。

2016. 2. 5

現在の現在。ラジオ等で垣間見ただけだが、常富さんVS陣山さんのバトルは楽しかった。中退VS卒業、フォーライフVSユイ、音楽担当VS会計担当・・・。Shangri-laのパンフレットで岡本おさみさんが「TsunetomiとJinyamaの対論は永遠に続いた」とロスでの大ゲンカのことが記してある(笑)。だからこそ、常富さんが車を買う時の保証人に陣山さんがなっていたというオチが良かった。愛と信頼のある好敵手。笑点の歌丸VS小円遊、スタートレックのMr.スポックVS Dr.マッコイ、スターウォーズの金色のヤツVS小さい丸いロボットみたいなものか。愛のある罵り合いが元気をくれる。

2016. 2. 6

現在の現在。「アゲイン」はとらえどころのない不思議な歌だと思う。まるで透き通った美しい器のようだ。それぞれの若き日々や作品がそこに注がれる。注がれた日々や作品はその器を通じて光を当てられて再び煌めき始めるかのようだ。それにしても未完で発表しちゃうのは世界の中で御大とシューベルトだけだ。未完で投げかけられた作品がライブステージで完成した姿を現す。実に貴重な体験だったと思う。・・・ただ間に合わなかっただけかもしれないが。

2016. 2. 7

現在の現在。「アゲイン」といえば「アゲイン」だ。あんなにも切なく美しいメロディーがあろうか。まさしく青春のスーベニールよ。アグネスがもう歌わないのなら、誰かが美しいカバーを聴かせてくれたら嬉しい。アグネスの「ハート通信」を石川ひとみが素晴らしい歌唱でカバーしたように。・・・ああ「ハート通信」も名曲だよなぁ。もぉぉぉぉ天才なんだから。

2016. 2. 8

あれから27年。アルバム「ひまわり」発売。最後のアナログ盤。塩化ビニールさん今までありがとう。そして最終日の東京ドームに向って進むツアーが開始。ドーム公演しか観なかったが通常のコンサートホールでも是非味わいたい内容だった。ドームの公演内容が悪かったのではない。当時のワンワンいうドームの音響の悪さでもない。御大に興味がないのにスポンサーの招待券でドームの見物に押し寄せた連中の雑念が音楽の空気を汚していたためだ。熱唱中に談笑しながら通路を横切るな!崩壊学級かココは!? 今頃、怒っても仕方ないが。ホールで音楽をじっくりと味わいたいそんな内容だった。

2016. 2. 9

あれから13年。自分にとっては二度目のワイハ。いきなり御大本人ガイドのハワイ・バス観光。外に降りない「車中観光」。サファリパークかよっ!・・あのカハラ、イルカのラグーン、じんぼうのうどん・・・。何もかもが嬉しい。前回まででコツを掴んだファンたちとともに不動心で追っかけに徹する。御大のパーティ・スピーチ。「今を楽しみなさい。昔のあれが良かった、あれが一番だとか競わずに、もうひとつの想い出を作ろう。想い出はいくつあってもいいんだから。」・・忘れまじ。

2016. 2. 10

現在の現在。御大画伯はイケてる。モディリアニかと思ったぞ(爆)。これが今年のTシャツになるのだろうか。ライブまでの時間はかかりそうだが、選曲から丹念に創り上げてゆかんとする御大。この暗い世の中を思う御大。そんな御大の気骨が嬉しい。慎重に創り上げるライブも楽しみだが、溢れる思いのままにライブスポットあたりでサラリと歌ってしまうのもいいのではないか。「外は白い雪の夜」に飽きたのなら「ありふれた街に雪が降る」だってある。

2016. 2. 11

現在の現在。「報道ステーション」出演とな。予告で久々に観た御大の笑顔にアドレナリンが一気に上がる。なぜニュース番組に?と周囲は言うが、拓バカにとってこれ以上のニュースはないんだよ、文句あるかっ! どうか平和な一日でありますように。思えば、夜ヒット、紅白、おしゃれ30、深夜に景山民夫とやってた懐かしのアメリカンTV(マイナーか)、大事な節目に結構一緒にいてくれた古館氏・・GJ期待!!


こんな浮かれた自分で申し訳ないが、ギタリスト松原正樹さんの訃報にふれる。心よりご冥福をお祈りします。あの音色もお姿も永遠に忘れません。

2016. 2. 12

現在の現在。動く御大、喋る御大、笑顔の御大・・映像が語りかけてくるものは、はかりしれない。チカラを抜きながらも静かにたちこめる美しいオーラは不滅だ。ひとつだけ「僕でなきゃ作れない曲は一曲もない」は誤りで、正しくは「僕でなきゃ作れない曲しかない」だ。何の権限もないが勝手に訂正させていただく(笑)。それにしても「フォーク」の壁のなんと厚いことか。永遠の憧れ沢田研二に対して、永遠に許されない布施明(笑)。ともかく次の新しい歌とステージがある、この道を行く無上の幸せだ。

木村草太くん、いい機会だ。よく見ておきなさい、これが吉田拓郎だ。きっとあなたの憲法観をより豊かなものにしてくれるはずだ。何様なんだ自分。

2016. 2. 13

現在の現在。思えば「フォーク」「下駄」「バンカラ」さまざまなイメージに苦しめられてきたであろう御大。フォークじゃないと言ったら衝撃発言とか金返せと言われてしまう御大。そう思うと何年か前、竹内まりやがオールナイトニッポンにゲストに出た時、サラリと「拓郎さんはポップスだから・・・」と言った言葉が何気に輝きを放っている。

2016. 2. 14

現在の現在。テレビの影響で自分の周囲も盛り上がる。ありがちな「拓郎懐かしかったぁ、もう卒業したけど昔はよく聴いたよぉ。」という人。心の狭い自分は「いえ、拓郎は今も現役なので、アナタは『卒業』ではなく『中退』ですから」と心の中で言ってやる(爆)

しかし中退も留年も関係なく、古館氏の言ったように長い人生の流れの中で、問い直すように聴き直したくなるのが御大の音楽なのかもしれない。過去に一度でも御大の歌に胸熱くしたすべての人の身体には、どっかの遊園地みたいに「再入場可」のスタンプが押されるのかもしれない。

新曲ばかりで戸惑う80年春のステージで「嫌なら他の歌手のところに行きなさい。」と言い放った後で「もし気になったら、いつでも『まだやってるの?』と戻ってきなさい。僕は待ってるから。」と言った御大の姿を思う。

2016. 2. 15

現在の現在。「襟裳岬」が名曲であることは言うまでもない。でも、この作品の制作が企画された当時、御大も森進一さんもそれはそれは大変な時だった。例えば今、世間とマスコミが総バッシングし、みんなで吊し上げているあの人とこの人を組み合わせて作品を発売したらどうなるかを想像するとよくわかる。世間の逆風を堪えて超えたご本人たちはもとより、そんな世間相手に作品を出す決意をしたナベプロや関係者の勇気と気骨を感じずにいられない。

2016. 2. 16

現在の現在。御大がテレビに出てからの日記はリキみかえっていて自分でも恥ずかしい。だいたいテレビの御大がいつも奥ゆかしいからだ。代わりに自分が誉めたたえなければというモードに入ってしまう(笑)。フツーの歌手ならガンガンとアピールする偉業を、御大はいつも無力化して遠ざけよう遠ざけようとしているように見える。歯がゆくもそこが魅力だったりするのでややこしい。
タブロイド連載の今村和夫さんの小さなコラムが好きだ。同時代の文化を語りながらそこに御大をピリリとスパイスのようにきかせる達意の文章だ。ヘルシアの方だよね。

2016. 2. 17

現在の現在。御大の無念さは私などには想像もつくまい。それでも御大は「頑張る」、そして音楽仲間には「頑張れ」「ガンバレ」を送る。ヘタレの一般Pの自分も何にもならなくとも何かを頑張ろう。少なくとも御大たちの音楽CARAVANの隊列を見失わないように続こう。

・・・と、いきなり見失った(T_T)

2016. 2. 18

現在の現在。「ぷらいべえと」の「赤い燈台」は、作品本体だけでなく、イントロ・間奏のキーボード、最後のギターの音色の美しさがたまらない。この穏やかな音楽の流れにずっと浸っていたい気分になる。歌う直前のトゥルルルがツボだ。さすが「書けない楽譜を一人で書いた」というArranged by Takuro Yoshida。あのときは手抜きアルバムとか文句を言ってつくづく申し訳なかった。 

2016. 2. 19

現在の現在。少しいい気分の日の外回りの時は、歩きながら「私の足音」と「季節の花」をくりかえし聴く。♪小さいけどその叫びは自由への道しるべぇぇぇぇ、♪また腕を組み、また歩き出す・・・気をつけないと歌い出しそうな自分がいる。あぶない。「旅の重さ」は、大好きな映画だが、いつも観るたびに三国連太郎が佐藤浩市とウリふたつの瞬間に全てを持って行かれてしまう。

2016. 2. 20

現在の現在。布施明さんは、御大ファンにとっては忠臣蔵の吉良上野介みたいなものだ(笑)。しかしなかなか討ち入りができないのは、結構、思い出の景色に布施さんがいたりするからか。例えば、小学生の頃、布施明の主演ドラマ「SHは恋のイニシァル」を毎週楽しみにしていた。布施さんというより、彼と共演する伊東ゆかり、梓英子、ジュディオング、美しい大人の女優さんのめくるめく世界がたまらなかった。この女優さんたち、きっと御大もお好きでしたね、キリンです、ちゃうか。いいドラマだったので主演・堂本光一あたりでリメイクして欲しい。女優さんたちは是非そのままで。違うドラマになっちゃうか。

2016. 2. 21

あれからたぶん37年。近所のセブンイレブンにトラックが突っ込む事故の時、閉店時間だったのでバイトしていた友人は命拾いした。昔は24時間営業じゃなかったんだなぁ。友人が「♪セブンイレブンいい気分 開いてなくて良かった」と歌っていたのを思い出す。・・・そういうハナシではなく、御大の幻のセブンのCMソング、伊藤咲子「友達になろう」は素晴らしい作品だ。これでもかという重層なメロディー構成。非売品だし、僅か10秒前後しか流れないCMソングなのに、ここまで本気で創り上げる御大の凄さを思う。ファンでいて良かった。

2016. 2. 22

現在の現在。その伊藤咲子の「友達になろう」。かつて伊藤咲子さんのサイトのご自身のレビューで「吉田拓郎さんのとてもむずかしい歌でした」とだけ感想が書いてあった。デビュー間もない頃の石野真子がテレビで音程を外して「だってぇ、あの人の歌、歌いにくいんですものっ!」と捨てゼリフを吐いたことは御大の耳に入るくらい有名だったらしいが(笑)。あの抜群の歌唱力の伊藤咲子さんでもむずかしかったのか。もし後悔があるなら、「乙女のワルツ」とカップリングで是非セルフカバーをお願いしたい。

2016. 2. 23

現在の現在。石野真子といえば・・って私が一人で言ってるだけだが・・御大の肝いりだったし、何より可愛かったので熱く応援していた。確か御大のラジオでも話題になったが、デビュー直後のアイドル誌のグラビアインタビューで、お部屋に当時の御大の最新アルバム「大いなる人」が無造作に置かれていて「マコの一番のお気に入り はあと」と語っていた。御大もこのアルバムもそして真子ちゃんも深く敬愛していたが「アイドルがそんなもん聴くわけないだろぉぉぉ」と心の底から突っ込んだものだ(笑)・・・もしホントだったら今からでも遅くない「カンパリソーダとフライドポテト」を次回シングルにしちゃくれまいか。その時は心からお詫びします。

2016. 2. 24

現在の現在。サラソーの木だ。「人生キャラバン」。安井かずみと御大の共作の結晶のような作品だと思う。アルバム「サマルカンドブルー」の発売前にレコード店のポップでは「ニューアルバム『CARAVAN』(仮)」になっていた。タイトなボーカル、硬質なピアノ、リリカルなギター。最高傑作だ。サラソーの木(沙羅双樹)は、お釈迦様の長い旅の終着点であり永遠に続く旅の出発点ということらしい。ああステージで聴きたい。
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2016. 2. 25

現在の現在。名曲「後悔していない」。「早送りのビデオ」の映像を見せられているかのようだ。聴くものにも静かなチカラが溢れる。公式音源にせず消えものだからこそ歌えた歌なのだろうか。
是枝監督の作品で大好きだったテレビドラマ「ゴーイングマイホーム」に出てきた小道具の日めくり。フィンランドの諺「後悔とはかつてそこに愛があった証明である」。この歌と表裏のような気がする。
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2016. 2. 26

現在の現在。東京キッドブラザースの東由多加と御大。対談録は残っているものの、二人が話している絵が想像つかない。会話が成立したのだろうか、観てみたかった。大喧嘩もしたらしいがそれも観てみたかった(笑)。二人に挟まれた後藤由多加の苦悩を勝手に想像してみる。秀作揃いの「彼が殺した驢馬」。「素敵なのは夜」がchoiceされたが「陽気な綱渡り」も好きだ。「両手を広げ下を見ないでいれば、あとは空、陽気な空」。謎の人、白石ありすさんの独壇場でもある。
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2016. 2. 27

あれから36年。御大初の海外レコーディングのためにマリブへ。出発前お熱を出した御大。その後も海外録音の渡航前に必ずお熱を出す御大。その繊細さを知れ。ロスは嵐、大洪水だったらしい。ラジオでの中継で、海辺のホテルでいきなり煮詰まっている御大御一行。岡本おさみ「海辺にいるのにちっとも気持ちが弾まないよ」御大「下水も溢れて海は泥水だ」常富「ウンコがいっぱい浮いてるよ」・・・大変さがひしひしと伝わってきたわな。「拓郎にふさわしい」って田家さんも随分だ(笑)
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2016. 2. 28

現在の現在。青春ドンピシャなので王様バンドの話は胸が熱くなる。ものすごい演奏が塊になって客席にドッカンドッカン飛んできた。御大はいつもメンバーのプレイに見入り何度も笑顔でアイコンタクトをとっていた。若気の至りで堕落と誹り、やがて美しいメロディの虜になったI'm In Love。イントロを青山さんが練り上げた話も嬉しい。そういう話を聴くといっそうに愛おしくなる。何度も何度も聴き直したくなる。それは単なる懐古ではなく、自分の心の井戸をせっせと掘るような作業であると思うのだが。

2016. 2. 29

現在の現在。LOVE2の第一回で、御大がオールスターズの面々を紹介する際、武部聡志のところで「武部・・・」で一瞬詰まる。あれは絶対「武部秀明」と言いそうになったんだと思う。それにしてもあれから今年で20年だぜ、まったく信じられん。月日はどうしてそんなに急ぐんだろう。

え、ニンニクの日か。マニアな人々が砂肝とニンニクの醤油炒めを食べる日。

2016. 3. 1

あれから36年の今日。ピンクレディーが全米TVに初出演。ちょうどロスにいた御大がラジオで中継してくれた。既に彼女たちの大人気にも陰りが出始め、このアメリカのTVの評判も良くはなかった。でもブッカーTからアメリカでやらないかと誘われた御大は、「アメリカ進出は、ピンクレディーに任せてあるから」と答えた。かっけーぜ。キャンディーズほど身近ではなかったろうが、御大は、ピンクレディーとその偉業に対しては、後にもきちんとしたレスペクトを欠かさなかった。解散に際しての御大の静かなエール♪羽ばたけ乙女たちよ・・そういう御大の心に泣けたものだ。

2016. 3. 2

あれから38年。「大いなる人」ツアーで御大がパーマをかけて出現したというニュースが駆け巡った。陽水と「俺はパーマ、陽水おまえは七三で」と約束したらしい。週刊誌にも載ったが「チリチリパーマ」ってずいぶん雑な記事じゃないか。しかし御大はなぜかすぐにパーマを落とし幻の髪型となった。今や「舞姫」のジャケットで痕跡が窺えるだけだ。例のカーリーが登場するまではさらに1年間待たなくてはならない。これが昭和53年3月の「3日パーマ事件」だ。受験生、試験に出るぞ。
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2016. 3. 3

現在の現在。ひな祭り。昔、毎年恒例でイルカ、庄野真代らの女性ミュージシャンが揃って渋谷公会堂で歌う「ユイのひな祭りコンサート」ってあったな。一度も行ったことなかったけど、なんか懐かしい。庄野真代って、ユイ音楽工房のミュージシャンで初めて紅白歌合戦に出場した歌手だそうだ。後藤由多加がすごい喜んでると当時、御大がラジオで言ってた。受験生、これも試験に出るぞ>しつこい

2016. 3. 4

現在の現在。久々にカラオケで「蛍の河」を歌う。♪蛍の河ゆっくり下って・・ああ蛍の河よ光りなさいぃぃぃ・・・万感胸に迫る名曲。いったい誰が作ったんだ?と画面を見ると作詞岡本おさみ 作曲吉田拓郎のテロップ。おお、そうだったのか!!と何回でも驚いてやるぞ(笑)。こんなところにひっそりとある天才たちの仕事。歌詞と無関係に妖艶に踊る小柳ルミ子の本人映像も淋しい。ああ「蛍の河」よ、もっと光って欲しい。

2016. 3. 5

現在の現在。昔、半蔵門のなだらかな坂の途中に「金曜日の朝」という喫茶店があった。御大色もZUZU色もない普通の喫茶店。なんでこの店名なんだと疑問を持ちつつも、ついぞ入りそびれてしまった。ここに通っていた方のブログを見つけたが、いつも空いていて何時間も本が読める欲のないお店だったらしい。本を読める喫茶店はもとより本屋自体が潰れてしまう昨今。なんだかなぁ。
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2016. 3. 6

現在の現在。本当に今は最後の「ひとつまえ」なのかもしれない。しかし御大のこの歌は絶望ではなくそれでも進むことを勇気づけてくれる。北山修先生の詩「山のむこうに幸せなんか無いことを知りカール・ブッセは泣いたそうだが、私なら笑いながら歩いていく」も思い出す。私なら「さまざまに生きるだけ人は人だもの 悲しみも喜びも遅れないうちに確かめろ」と歌いながら「ひとつまえ」を歩いていく。

2016. 3. 7

現在の現在。今読んでいる小説の中でビートルズのホワイトアルバムのB面の最後の曲で必ず針がとぶ話があった。昔ラジオで聴いた、二十才の御大が恋い焦がれた彼女に贈ったホワイトアルバムの話が思い出される。「彼女が『I will』と『Julia』がつながっているところが好きと言ったので、そこを何回も聴いて彼女のことを妄想したものです・・・」。B面最後の曲と最後から二番目の曲を繰り返し聴くハタチの御大、広島からの旅立ちの前夜のことらしい。

2016. 3. 8

現在の現在。というわけで「Julia」を聴くと「二十才のワルツ」が聴きたくなる。「外は白い雪の夜」よりもこちらの方がはるかに泣けてしまう。弾き語りもいいが、島村英二のドラムが砲撃のように響く81年のバンドバージョンが忘れられない。そういえば、昔ラジオで「旅には、しるべなき」を「旅に、はしるべきなき」と歌ったリスナーの青年はお元気だろうか。「とものう まお」さんを「ともの うまお」と読んだという瀬尾さんと双璧をなす。

2016. 3. 9

あれから38年。御大の「大いなる人」コンサートツアーと並行して、キャンディーズの最終公演の準備が進んでいた。記録によるとキャンディーズは、今日からつま恋でリハーサル合宿に入る。あらゆる意味で聖地つま恋。あそこに南こうせつ氏が「あの日の空よ」とか銘打った自分の銅像を建てたりしないだろうか(笑)。警戒を怠れない。

2016. 3. 10

あれから38年。で、4月4日に御大のツアー札幌での最終日とキャンディーズの解散公演が同じ日になった。最終日だけ石川鷹彦大先生がなぜかパーカッションで登場(笑)。キャンディーズが絶唱し、御大が歌い、石川さんがボンゴを叩いた同じ一夜。想像するだけで、同じ時代を生きられて良かったと妙に幸福な気持ちになる。

2016. 3. 11

 あれから5年。金曜日も一緒だ。あの日はノー天気に、二日後の御大一行とのハワイ航路のために右往左往していた。はるか遠い昔のようだ。あらゆる人々に降りかかったあまりの悲痛事に、いまだに何をどう祈ったらいいかもわからない。
 震災後に、御大は初めて「春を待つ手紙」を歌った。あれはもう、泣きたい気持ちで冬を超えようとするすべての人々の祈りの歌だった。別の日に、節電で真っ暗になった街の片隅のライブハウスで、エルトン永田さんがピアノで弾いてくれた「時代」の少し怒ったような音色も忘れられない。音楽に救われる日々。

2016. 3. 12

現在の現在。墓参を兼ねて鎌倉へ向かう。♪湘南あたりまで俺は旅に出るぅぅ。 幻になった鎌倉でのライブを観たかった。たくさんの観光客がみんな前々号のTYISタブロイドの鎌倉特集を持ち歩いていて驚いた。嘘だ。しかし持ってくりゃ良かった。風は冷たいが、♪寒さを知ったらもう春になる。そんな感じだ。

2016. 3. 13

現在の現在。「HAPPY 7ty」と来たか。なんてったって7ty。今も歌い、歌わんとする7ty。もう心の底からひたすらに祝おう。素敵なコンセプトじゃないか。
報道ステーションが新年のご挨拶とすれば、HAPPY 7tyで今年の目標が定まった感じ。世間の暦とは関係なく2016年もようやく始まりだ。
昔、タモリが作詞した応援歌に「時のすき間に くさびを打て」という一節があって大好きだったが、祝うということで、未来に何かのくさびを打てますように。

2016. 3. 14

現在の現在。ボブディランが来日している。そういえば38年前の初来日のとき、世間は大騒ぎだった。記者会見で「日本の私達へのメッセージを」と求められて「私はメッセージを伝えに来たのではない。歌いに来た。ショーを観てほしい。」。かっけー。ライブの内容は当時子供の私には難しくてよくわからなかったが、今聴きなおすと凄くいい。例えば「ラブマイナスゼロ」のポップな美しさ。あとになってしみじみ良かったと思うところは御大の歌と一緒だ。つくづく申し訳ない。

2016. 3. 15

あれから27年。東京ドーム公演。東京ドームというとひれ伏すような圧倒感があるが、たかが野球場。こんな音響の悪いところで御大が歌ってくれたことにドームの方で感謝すべきだ。御大の7tyの栄光の歴史に関われて良かったな、東京ドーム。ドーム珍しさに招待券でウロウロしていた非ファンの人々に当時は怒りもしたが、こんだけ近くで御大の歌を聴きながらもその魅力を理解できずに一生を終えて行く人々はホントに気の毒だと思うと腹も立たない。ん、元気になってきた(笑)結局、何にも惑わされず、「落陽」にも「外白」にも頼らずに粛々と新曲を歌った御大の気骨だけが時を超えて今も輝く。
・・・あんときゃ、へそ曲りとか言って申し訳なかった。

2016. 3. 16

あれから27年。東京ドームで印象的だったのは、アンコール「ロンリーストリートキャフェ」を歌う前の最後のMC。「・・・ きっといつかまた逢えるだろうと思います。 それまで皆さん幸せに!」。『お元気で』とか『お体大切に』とかではなく『幸せに』と御大は言ったのだった。何気なくも大切な御大のエッセンスではないか。それが妙に忘れられない。

2016. 3. 17

現在の現在。もったいないピアノともったいないギターの伴奏がいただける恒例の某所でちょこっと歌わせていただいた。それにしても集う皆さんの歌声がまた素晴らしい。こんな私がつくづく申し訳ないと思いつつも、音楽につつまれるような貴重な一瞬がたまらない。御大はじめ歌を生業にする人の凄さをあらためて思ったりする。ヘタな素人なりに心をこめて練習しようと誓う(笑)。
今日は安井かずみさんのご命日なのですね。
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2016. 3. 18

あれから38年。生まれて初めての御大ライブに行った記念日。神奈川県民ホール。「大いなる人」。ああ、吉田拓郎ってホントにいるんだという驚き、ホントに最初に春だったねを歌うんだ、ホントに楽譜を床に捨てるんだ、ホントに弾き語りはギター一本で絶唱するんだ、ああこれが「人間なんて」か・・・とにかく一挙手一投足に引き込まれ、あっという間にライブは終わっていた。ちょうど生まれて初めて動物園に行った子どもみたいなものだろう(笑)。 今日が大切な記念日の方、おめでとうございます。
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2016. 3. 19

あれから38年のつづき。いろいろ驚いた初ライブだったが、印象に残っているのは「夜霧よ今夜も有難う」。まずそもそも原曲を換骨奪胎したような「ぷらいべえと」の美しいアレンジと御大の絶妙の歌唱に驚いたものだ。それがこのライブではさらにガラリと様相が変わって、聴きながら身体を揺らしてしまうようなポップな作品に生まれ変わっていたのにびっくらこいた。OK松任谷氏のアレンジだろうか。この原曲からのホップ・ステップ・ジャンプに、音楽ってすごい、ライブってすごいもんだと感嘆したものだ。

2016. 3. 20

現在の現在。WOWOWで「フィールドオブドリームス」をついつい観てしまった。何度観てもいい映画だ。「それを作れば彼は来る。」この映画は、御大に「吉田町の唄」を作らせるために創られた映画に違いないと確信した。・・・言うのは勝手だ。

2016. 3. 21

あれから38年、初めての神奈川公演から3日後、渋谷公会堂公演昼の部へ。東京の観客は気合が入っていた。夜は行けなかったが、観客がアンコールをあびせ倒してオーラスの「人間なんて」の後に「落陽」を演奏したとのこと。昼夜公演お疲れ様だが、それと比べても2003年のポン復帰後のフォーラムの昼夜公演は、曲数・時間もろもろ遥かに凄かった。この偉業もっと褒めたたえようではないか。

2016. 3. 22

現在の現在。少し寒いが花が咲き始める。「吹雪の後に春の陽射しが花に酔ったらその時泣こう」。御大は2007年のツアーで「水無し川」のこの部分が特に好きだと語っていた。そんな時期かもしれない。uramadoには書き忘れだが、武田鉄矢もカバーしたんだよな。「拓郎さんから『畑とか田舎の歌だからお前に似合う』と言われて・・」と語っていたが、人にあげるよりも本人歌唱ですぜ、御大。

2016. 3. 23

現在の現在。またしてもヨーロッパ。「アジアの片隅で日本」のおっさんの私ですら心配な人達がいる。ましてやもっと身近な身内の方々の不安はいかばかりか。無理せず帰って来いという親心もわかる。「苦しみを拾うじゃないぞ。女だからと強がり言うな。」 でも、帰ってくれば安全というところもなくなっていくのかもしれない。いつの日かこの世のすべてが等しく平和でありますように。・・あ、コレは浜省か。

2016. 3. 24

現在の現在。中野サンプラザが取壊し決定とのこと。美しいフォルムともお別れだ。渋谷公会堂も新宿厚生年金会館も無くなった。ダイエー碑文谷店も同様らしい。ダイエーは当時あの展望エレベーターに感動した。やっぱりスターが行く店は凄いなぁと思ったものだ。人々の思いの詰まった建物たちが淡々と消費されていくような感じが切ない。年寄りの愚痴か。♪外の景色も人の心も変わってきたけど人間なんだ忘れちゃ困るよ。

2016. 3. 25

あれから40年。シングル「明日に向って走れ」発売。3日後には御大のテレビショーという期待が入り乱れる中。桜色のジャケットにつま恋カートの御大。ウチの中学でもファンではないヤツらがフツーに買っていた。そういう時代だったのだ。しかしこの作品の深い愛と哀しみは中学生にはまだわからなかった。尤もメディアも「フォークへの回帰」とかアホなこと言っててわかってない大人も結構いたのかもしれない。この心かきむしるギターは松原さんなのか矢島さんなのか。どちらも天に召されてしまった。かくしてこの名曲は40年経っても、昨日に明日に私達を走らせる。
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2016. 3. 26

現在の現在。大瀧詠一の『DEBUT AGAIN』が素晴らしい。泣きそうだ。それでいて申し訳ない。かねがね御大は人は皆モテたいために音楽をやるという。他所ではとても言えないが、結局、大瀧・細野氏はルックス・モテ系の御大が気に入らなかったのだと思う。音楽的才能とルックスモテ系の両方を難なく手にしたスターたる御大。面白くなかろう。たぶん松本隆と鈴木茂は自分もモテたから抵抗がなかったのだ。御大はナベプロに行っていれば良かったというのはある意味本当ではないか。「お互いエレックにはヒドい目にあったよなぁ」と意気投合する御大と大瀧詠一を観てみたかった。

2016. 3. 27

あれから14年。シングル「家へ帰ろう」発売。家を捨てたんじゃなかったのかと歌った御大が家へ帰ろうと歌う。小さい頃から家にいることが大好きだった御大は、家を捨て、そしてまた大切な家を見つけたのか。ライブでの大絶唱も忘れられない。どんだけ家に帰りたいんだ。ホントは家にいたいんだけど、こうして必死に外に出て来て歌っているのがわかっているのかっ!!と怒られているようだった。
ジャケットのつま恋のソファー。主の帰りを待つように今もそこにある(たぶん)。
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2016. 3. 28

現在の現在。ついに「新曲」という灯が見えた。レコーディングかライブか、それはもう御大あなたのお好きなように存分に。こっちも身が引き締まる。
あれから38年。セブンスターショー。朝からドキドキしてテレビを待った。ブラウン管に現れていきなり「春だったね」を歌う御大。ああ、かっけー。沢田研二でスタートし森進一、布施明経由で吉田拓郎に至るなんとも象徴的なシリーズだった。是非完全映像を今に。
あれから15年。アルバム「こんにちわ」発売。ジャケットから香るようなハワイ。
そして、これから「新曲」。過去に未来に僕らは御大の思うがままだ。

2016. 3. 29

現在の現在。カキハナさんのラジオが楽しみだ。70歳を前にして新曲が出来て、左指にギターだこをつくる御大。そんな話が聴けただけで十分じゃないか、もう何も言うことはない。何もかも求め過ぎずおだやかに。・・って新曲発表やコンサートが始まったらまたあれあこれ言うけど(笑)。・・・podcastで始まったエルトンさんのロングインタビューも楽しみにしている。「ピアノを弾きつぶす」凄い。

2016. 3. 30

現在の現在。「桜吹雪が散ってます 心の画面いっぱいに」。遠山の金さんではない。太田裕美の「花吹雪」。いい歌だなぁ。御大関連の「桜」の歌の決定版。この切ない心情はまさに松本隆の独壇場だ。同人の作詞で三木聖子が歌った「三枚の写真」なんかとあわせて聴くともうたまらない。ここまでの詞が書けるということは、ホントはご本人は相当ヒドイ人なのではないかと半分くらい思っている(笑)。

2016. 3. 31

あれから15年。「LOVELOVEあいしてる」の最終回。いろいろ文句も言ったが、この番組抜きに私のファン人生は語れない。別に語らなくてもいいが(笑)、感謝は忘れちゃならないと思う。時間が経てば経つほど輝いて追憶される桃源郷のような番組だ。Kinkikの二人もシノハラも、まるで自分の甥っ子や姪っ子のように愛しい。何度もいうが御大の素晴らしさは「テレビ」に挑戦し、テレビとの蜜月を得た後も、タレントに転身してテレビの奴隷になったりせずに音楽家としてさらにステップアップして進んでいったところだと思う。

2016. 4. 1

あれから10年。四国・九州シリーズの愛媛県文化会館。半年後に迫ったつま恋を睨んで「全国の拓バカ道後温泉に大集合」という図だろうか。路面電車で会館に向う道すがらも楽しかった。道後温泉なので今は亡き義父を含む家族も同行。「吉田さんがいろんなところで音楽会を演ってくれるので私達も便乗出来て嬉しい」と語った義父は、つま恋のBS中継を最初から最後まで熱心に観ていたという。「南はさかんに理窟を言うが、吉田さんは言わない。そこがいい。」という感想だった。いずれにしても御大の音楽会のチカラは測り知れないものなのだ。

2016. 4. 2

現在の現在。ガイドブック「教えてハワイ」。20年も前のガイドブックだからもはやガイドの役は果たさないかもしれない。しかしこの本に満ちている御大とハワイの蜜月の空気は今も変わらない。この本には永遠のみずみずしいスピリットが籠められているのかもしれない。「7ty」で「mahalo」と言われると、やはり御大の幻のハワイ航路に想いを致してしまう。誰か御大を目隠ししたまま連れてって。
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2016. 4. 3

あれから34年。オールナイトニッポン最終回。パック、セイヤング、オールナイト三局制覇の偉業は当時から言われていたが、もっともっと讃えられてイイはずだ。最終回は爆弾発言があるという御大のふれこみだったが、空砲だった。嘘つきなんだからもう(笑)。当時の新曲「唇をかみしめて」と出来立ての「旧友再会フォーエバーヤング」を置き土産にラジオを去った御大は、いよいよ伝説のツアー「王様達のハイキング」に出て行くのだった。

2016. 4. 4

あれから23年。地球ZIGZAGの司会者として突然、御大が現れて驚いたものだ。日曜の午前に動く御大が毎週観られるとは思ってもみなかった。ただメガネがデカ過ぎだった、なんだったんだありゃ(笑)。テレビの御大はいつも奥ゆかしくてどこか固いが、この番組では、それでも結構ズケズケ言うシーンもあって面白かった。たぶん御大の選曲だろうが、その日の番組と微妙にシンクロする御大の楽曲が最後にかかるのが楽しみだった。